タイ・バンコク便り-1
それなりに長く異国に暮らすと、日本人を捨てるのはカンタンだ。
日本では当たり前の、時間厳守。
タイ人に、この概念はない。
年々、私も、なくなりつつあります。
時間前には、まず来ない。時間通りにも来ない。
10分の遅刻、いい方です。
30分以内の遅刻、この辺が普通でしょうか。
ときに、一時間近く遅れることも・・・。
なぜか?一番の原因は、渋滞。
日本のお盆のUターンラッシュを凌ぐ渋滞が、ほぼ毎日あります。
5分で行ける所が30分かかったり。30分以上も動かず、辛抱も限界に達し、タクシーを乗り捨て、一時間以上かけて歩いて帰ったことも。
早い話が、鉄道網が貧弱なため、通勤・通学の足は、マイカーやバスに頼わざるを得ないのです。
10年前に高架鉄道が開通し、3年位前に地下鉄が完成しましたが、これだけではとてもとても。
二番目の原因は、クルマの量、中でもタクシーが多すぎること。日本と違って、カンタンに運転手になれる。
それにバンコクは観光都市なので、観光客が多い。
ここで活躍するのが運転手!道にも詳しい。
遠回りしても観光客は気づかない。
馴染みの店に連れて行けば、その分のマージンももらえる・・・。
そう、こういう運転手の多いこと。
そして三番目の原因ですが、道の作り方が最悪。
いわゆる、抜け道がない。
カーナビなんか、役にたたない。
四番目は、交通道徳がなってない!
警察が見てないことをいいことに、歩道を走るスクーター。
反対車線を逆走したり。
渋滞になると、我先にとばかりに、はちゃめちゃです。
こんなんだから、クルマなんて運転出来ません。
五番目の原因は、タイ人がのほほ~んとしているから。
これが一番の「時間に遅れる」原因ですかね。
さて、私はというと、30分以内の遅刻をしないように心掛けています。
日本人との約束には、もちろん10分前を厳守しています。
タイ・バンコク便り-2
え~、タイには“外国人価格”というものがありまして。
別名“旅行者価格”とも言います。
当然、タイ人より高い。
場合によっては、2倍。
「こいつはカモ!」と思われたら、果てしなくふっかけられる。
なんだか怖いようですが、怖いものでありません。
慣れれば、どうってことありません。
この「外国人価格」が主に適用されるのは、外の屋台やマーケットにあるお店。
ファッション店に多いです。仕組みはと申しますと、交渉によって値段が決定。
以下、こんな感じです。
「このTシャツ、1枚いくら」
「200B(バーツ)です」
「え~高いな。100Bにしてよ?」
「5枚以上買うなら、1枚100Bでいいよ」
「5枚も?う~ん、じゃあ150BでOK?」
「ノーノー。180Bでどう?」
「・・・そこをなんとか、150Bで?」
「ノーノー。ミスター、180B!」
「・・・いらん!」(買わずにバイバイする)
次のお店で
「このTシャツ、1枚120Bなら買うけど、どう?」
「3枚買うなら、1枚150Bでいいよ」
「じゃあ2枚買うから、1枚80Bにしてよ。ダメならいらない」(帰るふりをする)
「ちょっと、ちょっと!1枚150Bでいいよ」
「150B?120Bでしょ?」(また帰るふりをする)
「・・・わかったわかった・・・」(1枚のみ120Bで買う。この後、店主と打ち解ける)。
このような感じで交渉しますが、ある程度英語が話せないと、つらいかも。
英語が話せる欧米人は、ラクでうらやましい。
彼らは交渉事に慣れているように見えます。
私の場合、このような交渉は仕事です。
売買契約しているお店とはしませんが、初めてのお店で買い付ける場合、やらねばなりません。
もちろんタイ語。
当初は英語でしたが、ヘタでもいいからその国の言葉で話すと、彼らの態度は違ってきます。
親しみのある目で見られます。
多少は、安くなります。
他の店で買うと、怒られます!
しかし、この外国人価格には例外もあります。
“ふざけるな!”って感じ。
そのひとつがタクシー。
ときにメーターを使わずに、自分の言い値をふっかける。
夜の繁華街や一流ホテルの周辺に待機しています。
どういう感じかと申しますと
「●●通りまで」
「お客さん。俺、もう仕事が終わりの時間だ。●●通りは、俺の家の反対方向だ。メーターじゃ行かないよ・・・」
「じゃあ、いくらなら行くんだ?」
「そうね、200Bなら・・・」(50Bで行ける距離)
思いっきりドアを閉めて、日本語で汚い言葉をはく。
ストレス発散しないと・・・。
交渉は、根気と遊び心です。
彼らの言い値では、買わない。
自分の言い値で、買いましょう。
※B(バーツ)は、タイのお金の名称。2010年10月現在、1B=2.8円前後。