百周年実行委員教諭(国語)粂井 和幸
螢友会の皆様、はじめまして。挨拶が遅くなり、誠に申し訳ありません。今年度の四月より東京都立雪谷高等学校に異動して参りました粂井 和幸と申します。担当教科は国語です。
大学生時代は大岡山に住んでいました。初任校は、現在はなくなってしまった東京都立羽田工業高等学校でした。その後、東京都立大崎高等学校へと異動いたしました。その間は西六郷に住んでいました。
現在は品川区に住んでいます。長野県の松本市より上京して以来、東京では大田区と品川区以外には住んでいないことになります。そのために大田区と品川区には非常に愛着を感じ、そこにある雪谷高校にも愛着を感じています。
雪谷高校に着任して一番最初に感動したのは、「桜」でした。桜は古来、花王と称せられ、日本の国花とされ、古くは「花」といえば桜を指しました。桜は待ちかねた春をいろどる花として人々に親しまれ、いっせいに咲き出し、雨風にあうとすぐに散ってしまう。その散りぎわのいさぎよさが日本人の美感に一致している。
平安時代の歌人、紀友則の歌に
ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく春の散るらむ
という有名なものがあります。
うららかな春の日と散り急ぐ花を対比させ、のどけさの中に哀愁にも似た感情を詠んでいる。まさに初めての雪谷高校で見た桜と同じでした。
私は、雪谷高校創立百周年実行委員の一員をしております。雪谷高校の周年記念誌をひもといてみると、現大田区立東調布第一小学校の中に女子実業補習学校と創立した当時から雪谷高校と桜の間には深い縁があることが感じられます。
実際に東調布第一小学校に伺って桜の木を見ると、雪谷高校の創立当時から現在におよぶ百年の歴史の流れを肌に感じることができ、かつ未来への時の流れを予見することができました。
最後になりますが、三年後に控えた百周年記念事業のために螢友会の皆様のお力添えをお願いいたします。